今年で連載30週年となる人気の4コマまんが「ぼのぼの(BONOBONO)」。
この春、20年ぶりにテレビアニメも放送開始され、再び人気が出てきていますよね。
ラッコのぼのぼのちゃんや森一番のいじめっこのアライグマくん、そのアライグマくんにいつもいぢめられているシマリスくんや怠惰と自由と健康を愛するスナドリネコさんら、森の住人たちの日常を描いたマンガですが、その内容やセリフが哲学的だという事でも人気です。
そんな「ぼのぼの」の中でも有名なセリフがこのアライグマくんのセリフです。
手に持っていた貝を全部食べてしまって「食べ物がなくてあとでこまるとおもうなぁ」と困っているぼのぼのくんに対してアライグマくんが問いかけます。
「後でこまることをなんで今こまるわけ?」
「後でこまるんだったら後でこまればいいじゃねえか。なんで今こまるんだよ」
そして、しばらくしてからアライグマくんは訪ねます
「どうだ、こまって来たか?」
そしてぼのぼのは「ううん」と首を横にふります。
それからも一向にぼのぼのちゃんは困りません。
そしてここからがアライグマくんの屁理屈というか無茶ぶりというか正論というか、本領発揮のお説教がはじまります。
「そんなんだったら、オレがさっき足ケガしたのなんかどうすんだよ。
オレは今日おきた時からこまってなきゃいけないことになるじゃねえか」
「そんな生き方やっててミジメじゃないわけ?
こまるんだったら、こまった時だけこまればいいじゃん。ちがう?」
人は何かを始める時などにも緊張したり、先のことを考えすぎて臆病になったりしますよね。でも、そんな時にこの言葉を思い出して、起こるかどうかわからないことにくよくよせずに、今を一生懸命頑張ろうと思えれば良いんですよね。
実はこの話。私は別の本で知りました。
それは精神科医の故 斎藤 茂太(さいとう しげた)先生、通称モタさんの「心配ぐせを直せばすべてが思いどおりになる」という本で、その中に、以前出会った若者から聞いた話としてこのエピソードが出てきます。
以下にその若者がこのアライグマくんのおかげで人生が変わったと言っているエピソードをご紹介します。
たとえば、会議でプレゼンテーションをするまえなど、意地悪な質問が出るかな、聞いてもらえるかな、評価してもらえるかな、などと考えると不安でしょうがなかったのですが、いまは大丈夫。心配事が湧き上がりそうになったらすぐに、『どうなるかわからないことで悩みっこなし。あとで困ろう。それより、いまは準備に集中!」とつぶやきます。
(中略)
あとで困ろうと思うと、心配事がどこかに去って、いまに集中できるんですよ。いままでクヨクヨして過ごしていた時間を、ずっと有効に使えるようになりました。もちろん、ほんとうに『あとで困る』こともありますが、そのときには一生懸命に困るだけ。『あとで困ろう』と決めているからか、困りながらも不思議と気持ちは冷静です。あれこれ心配していたときのほうがむしろ、あわてていました
と。
どうしようどうしようと未だ起こってもいない先の不安に悩んでいるなら、どちらか1冊でも読めば少しは気が晴れるかもしれませんよ。
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