
鎌倉時代初期の歌人、鴨長明(かものちょうめい)の代表作にして枕草子・徒然草とともに日本三大随筆に数えられる「方丈記」の冒頭部分。
川は緩やかで一見とどまっているように見えても実は絶えず流れていて、さっき見た水とは違う水が目の前にある。
そんな「あたりまえのこと」でも改めて言われてみるとその通りで、この世のものも全て不変なものはなく、同じように見えても実はちがっている。
「男子三日会わざれば刮目して見よ」という言葉も中国の三国志演義に出てきますが、まさにその通りです。
ただ、鴨長明が本当に言いたかったのは、実はそう言うことではなく、この後に続く文章
「よどみに浮ぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし」
からもわかるように、目の前を一瞬で通り過ぎていく水や、出ては消える泡のように、この世は人も家も全て儚い(はかない)ものなのに、どうしてみんな物事に執着したりするのだろうか?どうせ儚い一生だから気楽にいこうよという感じのニュアンスです。
奥が深いからこそ、長く愛されているのでしょうね。
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