泣ける4コマ漫画として有名な「自虐の詩(じぎゃくのうた)」。
1985年から光文社の「週刊宝石」に連載されていた4コマ漫画で、中でも登場人物の「幸江(ゆきえ)とイサオ」に関するものが人気となり、後に「幸江とイサオ」シリーズで再構成した文庫版などが発売され、人気に拍車がかかり、ロングセラーに。
幸薄く不細工な幸江と、内縁の夫で酒と煙草とギャンブル好きな無職でちゃぶ台返しが日課(?)のイサオと、その2人とあさひ屋のマスターや隣のおばちゃん、町内会長さんや幸江のお父さんなど個性的なキャラクターが脇を固める単発のギャグ漫画なのですが、後半からは主に幸江の小中学校時代の物語が展開していき、借金取りに追われる小学生時代から、中学校時代の親友への裏切りや別れ、イサオとの意外な馴れ初めや、ラストの同級生との再開など怒涛の感動ストーリーが展開されていきます。
文庫本では上下巻に分かれていて、上巻は主にちゃぶ台返しだらけのギャグ漫画なので、ここで面白くない、絵が好きじゃない、と、読むのをやめてしまわずに、ぜひとも下巻までは読み進めて行ってほしい漫画です。
そんな「自虐の詩」での幸江さんの最後の言葉がタイトルの「幸や不幸はもういい。どちらにも等しく価値がある。人生には明らかに意味がある」です。
ネタバレになるのであまり詳しくは書きません。
幸江さんの人生の縮図を見てから、もう一度この言葉を噛み締めてみてください。
少し疲れた大人の方なら、ラストで号泣すること間違いなし!!
ちなみに2007年に中谷美紀さんと阿部寛さんによって実写映画化されています。
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