天台宗の北嶺大行満大阿闍梨(ほくれい だいぎょうまん だいあじゃり)の故・酒井雄哉(さかい ゆうさい)さんの著書「ムダなことなどひとつもない」より。(雄哉の哉は本当は旧字体です)
第二次世界大戦後に職を転々としたり借金取りに追われる生活を送るなど波乱万丈ののち、40歳から比叡山へ上がって得度したという変わった経歴のお坊さんですが、その後「千日回峯行(せんにちかいほうぎょう)」という約7年かけて260ヶ所約4万キロ(地球1周)を1000日かけて真言を唱えながら巡拝する(歩く)という荒行を2度も行った人です。
その「千日回峯行」が何故荒行かといえば、行中は雨の日も風の日も病気の時も休むこと無く続けなければならず、途中で行を続けられなくなったときは自害しなければならないという覚悟で持って、白装束を身にまとい「死出紐」と、短剣、埋葬料十万円を常時携行しているそうです。
「いつかやろう」「いつか始めよう」と思っても、そのいつかは永遠に来ないんだから、今思いついたことはすぐにやらないとな。
まだ時間があるからってダラダラしていると、時間はどんどん過ぎていっちゃう。今目の前にある世界はあっという間に過ぎていくんだから、今を大切にしたほうが幸せだよ。
そんな荒行を47歳から始め、60歳の最高齢で2度めを達成(満行)された酒井大阿闍梨。
今まで築き上げたものがなくなってしまっても、幸せでいることはできるんだよ。
実は 物がある、ないにかかわらず、なんにもなくても、
ニコニコっとできる人が一番幸せなんだ。
幸せは心の問題だからね。
今いるところが一番の楽園だと思えば、
ないことを思い悩む必要もないんだ。
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